2017年5月3日水曜日

平野弥 究極のオリーブオイル、ワインとお料理の実験的マリアージュ会 つづき

オリーブオイルそのものに続き、食材やワインと合わせるという趣向です。でも12種類のオリーブオイルにそれぞれを合わせると膨大な組み合わせになるので現実的ではなく、ほとんど試せていません。



馬肉(KDさん)
そのものが美味しい。オリーブオイルで味は変わりますが元の味に負けている。






野菜やポテトサラダ。



うかいさんの豆腐
PACAPとがっちりした輪郭と苦みが出てくる。FRCICとでクリームチーズのようになる。



東海食品さんの 天然にがり 汐風(MYさん)
甘味のある出汁が入っていて、PACAPと合わせると突き出しの一品の味わいになる。





パンは色々な種類があり、いずれもオリーブオイルと合わせると香ばしい部分が引き立ちます。



そら豆
PACAPは苦みが強くなるが味わいのまとまりを感じる。MAMUNは丸くなる。CACANは華やかになり一品料理の扱いになる。





デュガ 2013
オレンジの香り。味は大人しい。FRCICと合わせると特徴が抑制されて、丸く一般化されてしまう。



刺身





赤飯



大根 甘いと言われる無農薬?の大根。先端は少し辛味がある。







ネギ





ハマグリ
GISANとでバター感が強く、塩味も強くなる。
ANBIBとで発酵バターの風味が合わさり、旨みが強調されて磯の風味が後味で膨らむ。合ったと思いましたが合わない方もいました。




プネ・シャルドネ La Crois l'Aumonier
フランスから持ち帰られた新しいシャンパン。まだ落ち着いていないので、泡は荒れており、表情はスンっとしている。現状は薄い層のやや温かみを帯びた水面が見えて、表面には微妙なさざ波が立っている。ポテンシャルは感じるが、深いのか、丸くなるのか、波となって襲ってくるのかなどが見えない。ボァ・ブランシュと同じ価格で味は上と評価されているそうなので、落ち着くのが楽しみです。



アミオセルヴェル シャンボール・ミュジニー
焼けた感じの香り。塩が強めの香り。塩味が強い。シャンボールだがモレ・サンドニのようなぼんやりした輪郭の緩い印象を受ける。



ラモネ パストゥグラン 2013
小梅の香りに甘さも加わって、かわいらしさがある。香りは木が焼けた感じや濃い樹木の香りがある。味わいも焼けた風味と小梅の風味。バランスのよいおいしさ。



シューアイス
PACAP バター感を強く感じる
CACAN リキュールの代わりになる
FRCIC バター感が適度に加わり、丸く辛味も出てくる。よい組み合わせ。




イタリアのビオ
辛味がオイルと合う



バニラアイス+トマトソース(HTさん)
写真にはのっていませんがトマトソースそのものが美味しいので、アイスとオリーブオイルは引き立て役に回る感じになる。PACAPとは合っていてすごくおいしい。



ミクルスキー ムルソー
おいしく、バランスがいい。オイルには負け気味。





ピュリニー
ムルソーと違い、オイルと同格の張り合い加減になるが、味わいはワインのミネラルとオイルの風味がカツーンっとガラスの側面同士をぶつけたようになる。



グロフィエのACブルゴーニュ
黒砂糖の香りはグロフィエに感じるもの。干しブドウの香りもある。味は薄く、あとから少しの酸味、味にまとまりがなく感じる。現状は厳しいが落ち着けばバランス取れそう。
グロフィエのワインには和っぽさ、三盆糖の風味とテクニカルさをいつもながら感じる。





レシュノー
若草の香り、枯れた香りと濃さはあるが枯れた風味を感じる。



リニエ
香りは黄色をイメージさせるもの。味わいは、アタック周辺ではやや高い周波数の正弦波でぶれる。その正弦波の上側頂点あたりでは枯れた風味が見える。味わいの後半はバランスがよくなる。キュート。リニエらしく、きれい。






デュガ ジュブシャン



色々な食材をいただきました。みなさんご馳走様でした。ワインも沢山飲ませていただきましたが、オリーブオイルと楽しむという感じではないのでどこか不完全燃焼です。

ワインは食事を通して時間の変化や食事との組み合わせによる変化を楽しみながらボトル1本で通せます。オリーブオイルについても同様の楽しみ方はありそうです。ただ、開封後の使用量や酸化、価格を考えると、今回の実験のようにオリーブオイルを使い分けるのはプロの仕事だと感じられたマリアージュの会でした。

平野弥 究極のオリーブオイル、ワインとお料理の実験的マリアージュ会



素晴らしいと絶賛されるオリーブオイルの会です。

案内文(抜粋)
今回使用するオリーブオイルは、われわれがこれまで知っていた従来のオリーブオイルとは根本的に異なります。既存のどんな高級などんな高額なオリーブオイルを持ってきても、それらでは決して表現できなかったすばらしい味覚的感動的世界が広がります。・・・このまだ誰も出会ったことのない精神的な世界への道筋を探求することが今回テーマです。



今回使用するオリーブオイルは、単一畑・単一品種のオリーブから圧搾され生産された希少なものなのです。(案内文つづき)
スプーンで12種類のオリーブオイルを試飲してから食材やワインと合わせる形式で進みます。オリーブオイルそのものの情報はほとんどありません。試飲の開始です。



FR(ブレンド)
南国フルーツ、むっちりした味わいで、キウイフルーツの風味と、辛い一味唐辛子のような尖った辛味がある。オリーブオイルに感じるキウイフルーツの香りや風味、シチリアっぽい尖った辛味、とろっとした舌触りのオイリーさは、これ以降のオリーブオイルすべてに共通する。



FRCIB
丸く柔らかいアタックで、丸みがあり、真剣や針のような鋭利さを思わせるような、つんざく鋭い辛味が後から出てくる。



FRCIC
独特な風味。バニラの旨みやミルクの風味と旨みがある。



FRCIP
キウイフルーツ種付近の風味やドラゴンフルーツのような風味がある。辛さもある。



PACAP
先端が丸い状態で、ふっくらと膨らんで口奥へとやってくる。その後、口中央辺りでまろかやかな丸い球体に膨らむ。内部の密度は均一で境界は感じられない。あとから辛味が出てきて、少しの苦みが追いかけてくる。波動は感じないが唯一世界観を感じたオイル。



MAMUN
ミルククリームでまったりした味わい。後から喉に辛味がきて、苦みが少し強め。



GISAN(会の中での通称:じぃさん)
軽めで丸くて大人しいが、辛味は強くくる。



GICAN
霧を吹いたようにパーティクル状に分散した空間が丸くあり、上あご奥に辛味がくる。



CACAN(会の中での通称:カカン、カンカン)
香りが柑橘で華やか。オレンジの香りが強くある。味わいもシトロン、シナモンなどの柑橘やハーブに加えて、ミルク感も少しあり、華やかさに安心していると口奥から喉奥へと辛味がくる。一番特徴があって、要素も豊富なオイル。



GAGUB
丸いとろっとした味わいと同時に辛味が立つ。クリーム感のあとに辛味が出てくる。無理にワインとつなげて、とろっとした舌触りを果実味、辛味を酸味やミネラルとすれば、他のオイルはアメリカっぽく、こちらはボルドーのサン・ジュリアンのような感じ。



ANBIC
やわらかく丸い口当たり。味わいの後半に苦みがしっかりとあり、強い辛味がさらに強く主張してくる。



ANBIB
最初の口当たりは前者のANBICと同じで、やわらかく丸い。そこから辛味が喉奥へとクーンっと突いてくる。

オリーブオイルだけを12種類試飲してみました。エスプリデュヴァン輸入ワインのような瑞々しさを想像していたので期待していたものと違っていたのは残念でした。
期待との違いで思い浮かぶのは、シャボン玉のように繊細で躍動感ある世界観を感じるものを想像していたのに対して、今回のオリーブオイルに感じたのは酢酸ビニールをストローで膨らませる風船玉(ビニール風船)のような面白さでした。

以降、食材との組み合わせとワインに移ります。(でも、ほとんどオイルとの相性見ていません)