2017年6月5日月曜日

徳山鮓×ワイン専門平野弥 マリアージュの会



滋賀県余呉の徳山鮓とワイン専門平野弥のコラボ会に参加しました。天気は雨が降りそうな曇り空で、その後激しい雨になりました。



場所は神田のワテラスアネックス3Fにあるオッティモ・キッチンさんです。



参加者は50名ぐらいであらかじめ決められていた指定の場所に着席します。



料理のメニューとワインリストが渡され、期待が高まります。料理は徳山鮓の徳山さん、徳谷会より長野県伊那市の鹿ジビエ料理専門ざんざ亭の長谷部さん、長野の出張料理人 三石さんが担当されます。



この会のために準備された丸太のお皿、かっこいいです。



アミューズ 発酵飯のおかきとアスパラ、山葵サワークリーム @三石シェフ
軽い食感のリズム、草原を駆け抜けるかのような軽やかを感じる上品な味わい。アンティッシュのリムーがもつ酸と、アミューズで使われているという『飯』が高域のトーンが一致していて味わいが切れ目なく融和しながら清流のように流れていく。
なお、この『飯』(いい)は鮒鮓を作るときに出来るお米の発酵物で、徳山鮓さんの特別版です。この後の料理にもたくさん『飯』が使われています。



ジャン・フルニエ マルサネ・クロ・デュ・ロワ
ラモネ ペルナン・ヴエルジュレス・ベル・フィーユ
※白いグラスはアミューズと合わせたアンティッシュのリムー



イノシシと鹿のシャルキュトリー盛り合わせ @ざんざ亭 長谷川氏
写真手前が鹿100%ソーセージ
写真中央は左から鹿燻製と飯のポテトサラダ、檜香る猪ハム、普通の猪ハム、鹿スネのハム、浸し豆と鹿のテリーヌ
写真奥が、鹿版乾燥ブータンノワールとワイルドな山菜たちに徳山さんの乾燥カラスミパウダー



テリーヌがマルサネととても合う。テリーヌの味わいが先に膨らみ、その膨らみを抑えつけないような軽く透明な布で、ワインの甘味でふゎっと包み込む感じになる。そして、乾燥カラスミパウダーがとてもおいしい。



『飯』で発酵させたおやき @ざんざ亭 長谷川氏

もっちりして穀物の甘味と旨みが豊富でおいしい。ジャン・フルニエのマルサネ・キュベ・サンチュルバンとも野菜系の風味があう。ひとり一枚しかありませんでしたが、もっと食べたかった。



琵琶マスと稚鮎 @徳山鮓 徳山氏
手前左側のソースは鮒鮓の頭を利用したもの、蕎麦の実が散りばめられています




稚鮎は酸味が効いたソースで若々しさを感じる。稚鮎はラモネ赤のペルナンとは全く合わないが、ジャン・フルニエのマルサネ・ブランと合わせると酸がピチピチと活き活きさを増す。琵琶マスはかば焼きの風味がしっかりしていてラモネ赤と合い、燻香が旨みとなり、皮の部分が旨み多い。鮒鮓ソースはブルーチーズに類する熟成と深みのある味わいで、アンティッシュのリムーと相性がよかった。



岩魚のリゾット @三石シェフ
山独活、自家製ハーブ、『飯』パウダー



ハーブがきれいな透明感のある香りと味わいで、軽やかさと華やかさを感じる。パーッと平面に広がった視界に、『飯』パウダーが味わいにうねりとリズムを奏でる。ジャン・フルニエのアリゴテと合わせると軽やか、本質的なところで一体感となり、あるべくして合っているように感じる。



なれ鮓 @徳山鮓 徳山氏

ショフィット アルザス・ピノ・グリ
アンドレ・ロベール シャンパーニュ・ロゼ



しめ鯖

トマトソースの上に『飯』が振りかけれている



鮒鮓

凝縮した旨み、芳醇さ、力強さと軽やかさの膨らみ、広がりがすごい
ソースには『飯』と蜂蜜が使われたそうです



鮒鮓のサンドイッチ






鹿肉のローストとジビエ・熊

鹿肉のロースト @ざんざ亭 長谷川氏
ジビエ・熊 @徳山鮓 徳山氏
ジャン・フルニエ ジュヴレ・シャンベルタン 2013
ユベール・リニエ モレ・サン・ドニ 2013



鹿肉の部位はモモで、焼きが香ばしく、好みの火の入り方。フルニエのジュヴ・シャンを合わせると血っぽさや獣っぽさが引き立つ。熊は脂身に甘味があり、ユベール・リニエのモレが合う。ドレッシングとは合わせない方が好みだった。



デザートに合わせるワイン。人数が多いので準備が大変そうです



ブランマンジェ @三石シェフ

中央が佐久の山羊乳ブランマンジェ、赤いのはヤマグワ、左奥の黄色っぽいのは徳山鮓の蜂蜜



ブランマンジェはおいしい。茶葉なのかグリーン系の風味がアクセントになって清々しい。ヤマグワは酸味が強くていいです。そして、日本ミツバチの蜂蜜はかなりおいしい。美味しいデザートで締められると幸せになります。



最後はエスプレッソで締め。落ち着きます。



大変おいしい料理とワインをごちそうさまでした。そして周囲でお話した方々、スタッフの方々、ありがとうございました。徳山鮓さんの話は平野弥さんで聞いていて現地に訪問せずにいただけたのは嬉しい限りです。空間の広がりや深さ、そして伸びる高いトーンとブルゴーニュ好きには共通する味わいを感じました。予約が取りにくいそうですが、現地で食べて世界観に包まれてみたいです。
今回は料理人の方々、ワインの合わせ、それらに対する創作意欲、熱意もダイレクトに伝わる大変楽しい会、そしてとても豪華で大満足な会でした。

ワイン専門平野弥 神奈川県横浜市
熟鮓 徳山鮓 滋賀県長浜市
鹿ジビエと山師料理 ざんざ亭 長野県伊那市
出張料理人 三石シェフ 長野県
オッティモ・キッチン 東京都千代田区(ワテラス店:会場)